だから、コレが最後のチャンス。
せめて、アタシの先輩と過ごした二年間を無駄にしたくないから。
せっかく4割引きの時に買いだめした冷凍食品を真夏日に冷凍し忘れて一気にダメにしたような、あの思いはもう二度としたくないの。
でも・・・でもやっぱり恥ずかしい!
サソ子の言うとおりにできなかったら、最後の最後に嫌われてバイナラなんてイヤ!でも・・・でも・・・
「大丈夫だって!そんな意気地なしじゃ勇気百倍のアンパンMENに内臓をえぐりとられちゃうゾ!ホラ、今だって!」
「サソ子は可愛いからそんな簡単に言うけど・・・私には出来ない・・・やっぱり怖いの。ビエーン」
「なにさ!なんなら私がえぐりとってもいいのよ?・・・そうやって後悔だけ増やしていって何が楽しいの?せっかく潮干狩りに行ったのにカニと戯れてばかりで何が楽しいの?せっかくカラオケに行ったのに全然歌わないで狂喜乱舞にマラカス振ってるだけで何が楽しいの?せっかく生かしておいたのに止めを刺せなんて何が楽しいの?まぁ、刺すけど」
「サソ子・・・」
「泣き虫おサメはもう卒業だゾ!ほらほら、早くしないとイタチ先輩が竿灯祭りの練習を始めちゃう」
「そうよね・・・先輩と一緒に泣き虫な自分も卒業しなきゃね!よぉーし気力湧いてきたぜぇぇぇぇんぬおぉぉうぉぉーウェンガー!」
「スコンクで負けて帰ってきたらただじゃおかないゾ!」
やっぱり親友っていいよね!サソ子の大洋魂に勇気づけられて、ようやく決心した。
「キサメ、喉よ。喉を一突きでイチコロよ!」
ナイスフルアドバイス、センチュッ!
あ、そうそう「センチュ」っていうのはね、相手に有り難うを伝える「センキュ」と同時に敬愛の意味も込めて投げキスもできちゃうお礼の言葉。恥じらいながらも大胆に小悪魔ちゃんぶれる魔法の言葉でもあるのよ♪ワタクシが開発したのであります。エッヘン!
コレ流行らせたいんだけど、今サソ子が力いっぱい目潰しをしてきたから、相手によっては使用するのは駄目みたいNE☆
駄目っていえば、昨日怖い夢見ちゃったの。スプラッタにされる鳥・・・ぐちゃぐちゃに混ぜられたマーブルな液体・・・無農薬の新鮮生野菜・・・あっという間に美味しそうなほぐし鶏サラダの完成!もう駄目、マジで我慢できない!グーグー!
「何ヨダレこぼしてんだ!さっさと行かねーと永久目潰しだぜ!?」
そうだった!サソ子に目潰しされたままだったのに・・・キサメのバカチン!2日も何も食べてないからって、トリップしすぎだっちゅ〜の☆★
「寄せてんじゃねえよ!」
ドン!グチャ!
サソ子に背中を押されて、先輩の前に手刀を構えたままとびだしちゃった!ど、どうしよう!フンも踏んでる!
<つづく>
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