へへへ!そうさ・・・フンのトラップをしかけたのはこの俺さ!
アズマだかアスランだったか忘れたが、俺は奴から奪い取った金品のおかげで自由気ままな逃亡生活を続けていた。
時にはぼったくりバーへ入り逆にぼったくり、高級カジノへ行けばミドリガメをチップがわりにしようとしてつまみ出され、深夜の街頭の下で手招きするブロンド美人に誘われて一緒に手招きをしてみたり、ヤミ金融業者の取立て現場には一目散に野次馬しに行った。
そんなある日、通りかかったどっかの高校で卒業式をやっているではないか。
これはのらない手はない。
卒業式でお涙ちょうだいな浮かれた学生さん達に、ちょいとトラウマになる程度のイタズラをしでかす事が脳裏によぎったのは、そりゃあもう早かった早かった。
(みんなもこんな肉欲、あるよな!)
俺は初めに校長になりすまし、卒業生にお祝いとお別れの言葉を述べた。おお、バレねぇ。卒業生の8割が泣いてるじゃねーか、ちょろいちょろい。残り2割は軽く幻術で泣かせておいた。
次に在校生代表になりかわっての答辞だ。おお、これまたバレねぇ。センセー達もボロ泣きじゃねーか、ちょろいちょろい。泣かねーのが一人いたから、そいつの両親の恥ずかしい秘密を耳打ちしてやった。
さてお次はクラスメイトと写真を取り合って別れを惜しむヤツらへ殴りこみだ。俺はとびっきりの素の顔で、大体のヤツの写真に写りこんでやった。おお、現像後のリアクションが見れねぇのが難点だな。チョロQ。
もちろん、式の終わった後の体育館は有意義に3Pシュートの練習に使わせてもらったぜ!
そして最後に一通りタイムカプセルを掘り起こすか、卒業証書を住宅地図にすり替えておくか迷っていたその時だ。
なんだ・・・あの青い女学生は。
魚・・・いや、足がある。
口・・・オール犬歯というか牙だらけじゃねーか。
目・・・アレおく目か・・・?クソッ、やべ目潰ししてぇ!
気が付けば、俺はしっかりとピースをしたまま青い女学生に向かって疾走していた。
思えば、目潰しをするのは久しぶりでいささか興奮を覚えていたからだろう。
「でも・・・やっぱり恥ずかしい」
「何いってんの!キサメの意気地なし!」
この会話が耳に入った時、俺の理性と言う名のS心が目潰しをストップさせた。
<コイツ・・・この見た目でコクる気なのかよ!?>
異常な寒気が全身を襲う。『ワンワン!』後ろを見るとちょうど犬がいた。
Q・さ〜てここで問題だ!この後俺は目潰しの代わりに、この青い女学生に何をしたでしょ〜うか!
ヒント:物語の冒頭に答えが隠れているゼ!
<つづく>
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